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
「これまでとは完全に違うもの」。 Young Mikoはアルバム『att.』についてApple Musicにそう語る。「音楽的な進化を感じてもらえると思う」。彼女のフルレングス・デビューアルバムが単に2022年のEP『TRAP KITTY』の延長になると予想した人たちに対し、プエルトリコ出身のラッパーYoung Mikoは、多岐にわたるジャンルを織り込んだ作品を突きつける。「Riri」やFeidをフィーチャーした 「CLASSY 101」などのヒット曲と、バッド・バニー、カロルGといった有名アーティストたちとの共演曲のサウンドからさらに幅を広げ、ラテンミュージック界で最も魅力的な新人の一人という彼女のステータスを確立する上で役立つ多彩なサウンドとスタイルを大胆に取り入れている。 「arcoíris」と 「wiggy」に宿るノスタルジックな魅力は、トラップが世界を席巻する前の時代のヒップホップに通じている。魅惑のハイライト曲「princess peach」は、2000年代中盤のエレクトロとクランクを融合したサウンドを再構成して、クィアの視点からラブストーリーを語る。こうした自由さは、ハウスミュージックにおける LGBTQ+の基盤を中心に据えた曲 「MADRE」において、より顕著だ。「私は言いたいことを言えず、自分を表現できずに死ぬなんて絶対にできない」と彼女は誇らしげに言う。「自分を隠して生きるなんて、とてつもなく疲れそう」 当然のことながら、Young Mikoは彼女が正当に脚光を浴びるきっかけとなったおなじみの要素とリスナーとの接点の多くをここでも維持している。彼女のトラップとレゲトンの要素は健在で、オープニング曲の「rookie of the year」や後半のハイライト曲「curita」などの曲にはっきりと見て取れる。また、彼女はリズミカルで素晴らしい「offline」で再びFeidと共演し、刺激的な「ID」では、かつて「COLMILLO」で共演したJowell & Randyと共にダンスホールレゲエのヴァイブスを提供する。だが主にアルバム『att.』は一人のアーティストがチャンスをつかみ、最高の形で傑出した才能を表現した作品だ。「結局、それがすべてのアーティストがやろうとしていることだよね、つまり、ユニークであるということ」