FURAAMAN ANTHEM

FURAAMAN ANTHEM

「沖縄の方言で、おバカさん的な意味の“フラー”っていう言葉があるんです」。沖縄出身のヒップホップクルー、SugLawd Familiarのラッパー、Vanity.Kはメジャーファーストアルバム『FURAAMAN ANTHEM』についてApple Musicに語る。「まさに俺らってFURAAMANだなって思う場面が多々ある。そんな男たちが結成して7年たった今、アンセム18曲をまとめて、このアルバムになりました」 2020年の「Longiness」が特大のバイラルヒットを記録し、一躍注目を浴びた彼ら。本作ではインディーズ時代からの盟友Art’Teckyxがサウンドプロデュースを担当し、ヒップホップを主軸に、レゲエ、R&B、エレクトロ、ロック、ワールドミュージックといった多彩なジャンルのチャンプルーを推し進めている。「いろんなアルバムを参考にしたけど、Black Eyed Peasのアルバム『Monkey Business』がめっちゃ好きで。あのアルバムもいろんなことに手を出してて、享楽主義をテーマに楽しむことを最優先事項として作った作品なんですよね。『俺らもそうじゃね?』って思って、向かう先が見えた」と、ラッパーのOHZKEYは振り返る。本作には、OZworldをはじめ、CHICO CARLITO、Disry、前川真悟(かりゆし58)、MINMIといった面々が客演として参加。リリックには享楽性と表裏一体にある、地元沖縄や社会、シーンに向ける真摯(しんし)なまなざしが宿っている。「近い人に向けて歌詞を書くことが、いろんな人に伝わるヒントになる。ローカル/メジャーとか、インディーズ/メジャー、アンダーグラウンド/オーバーグラウンドというより、とにかく人に対して曲を届けようと。商業的なものじゃなく、ただ人の心を動かしたい」。未完の建造物として知られるスペインの世界遺産“サグラダ・ファミリア”に発展途上である自分たちを重ね、一歩ずつ確かめるように歩みを進めた作品について、ここからはOHZKEY、Vanity.K、Oichiの3人にいくつかの楽曲を解説してもらおう。 SADISTIC FURAAMAN OHZKEY:自分たちで生み出した「Longiness」を、自分たちでもう1回分解して消化し、落とし込んだ。音楽を作るのは全然余裕じゃんってなったけど、こなれてきた分、失われてきている熱量を思い出すためにも、やっぱりこの曲と向き合わないといけないなと思いました。 Vanity.K:だから、この曲は大人版「Longiness」みたいだと思う。 HOPE Vanity.K:空間オーディオの包まれる感覚でこの曲を聴くと、でっかいスタジアムにいるような感覚になる。ドームで歌ったら気持ちいいだろうな。 シュビドゥバ Oichi:最初はドライブソングを作ろうかって流れで始まった。 OHZKEY:ベースがぶりぶり出てて、夜の西海岸的な感じだったけど、ウェッサイに対する憧れは入れず、オリジナルで昇華したかった。Art'Teckyxから、ウェッサイのルーツにリスペクトを持って触れないといけないとレクチャーを受けながらいろんな曲を聴いている時に、Zappの「Computer Love」で「シュビドゥバ」って歌っていて、その瞬間、「シュビドゥバ」で曲を作ろうってなりました。 ノスタルジックなDestination feat. 前川真悟(かりゆし58) OHZKEY:真悟さんと曲を作ろうという機会が数年前にあったけど、流れてしまって。でもその後、一緒に飲みに行ったり、セッションしたりして遊ぶ仲になり、今回どうしても真悟さんの言葉の力が欲しくて一緒に制作しました。僕らが小学生の時に聴いていたトーンを思い起こさせる真悟さんの声に感動して、スタジオで感極まっちゃいました。 Vanity.K:やっぱどこかに沖縄感があって、そこがマッチするのかなと思います。 Blue Jeans feat. MINMI OHZKEY:メンバーのXF MENEWがMINMIさんの超ファンで、レーベルを通してつなげてもらいました。お話した時、「君たち悩みとかないの?」って感じになって。「マインドが削れて丸くなって、社会に溶けちゃいそうです」と言ったら、「クリームソーダみたいだね。テーマがちょっと重たいから、サウンドは軽くして、子どもに戻って明るく歌おうよ」って僕らを引き出して、まとめ上げてくれました。