

人気、実力ナンバーワンドラマーとして、ジャンルを超えて多くのアーティストから絶大な信頼を得ている石若駿が、高橋佑成(P)、マーティ・ホロベック(B)と結成したトリオによるスタジオアルバム。彼らは2025年にライブアルバム『Live at ALFIE "Temporal Cubic"』をリリースし、高い評価を獲得。その後、サックスの馬場智章をゲストに迎えたコンサートでの共演に大きな手応えを感じ、本作の制作へと至った。4人全員が日野皓正のグループで活動した経験がある上、特に石若と馬場は映画『BLUE GIANT』でメインキャラクターの演奏を吹き替えるなど、多くのセッションを共にしてきた気心の知れた間柄。それだけに、レコーディングはわずか1日で終了した。楽曲はすべて石若のオリジナル。浮遊感のあるリズムに漂うようなサックスとピアノが絡み合う「Ballade "集"」、4人の激しいインタープレイが火花を散らす「Sepiageshiki」、抑制されたリズムの上でエレクトロニカとサックスがフリーフォームな即興を繰り広げる「Sasanoha」、石若のジャズドラマーとしての神髄が味わえる、前作のライブアルバムでも披露された「Immortal Jellyfish」などが並ぶ。そして、アルバムタイトルでもあり、沖縄の方言で“魂”を意味する2部構成の「Mabui」は、色彩豊かな音色のフェンダーローズのピアノをバックに壮大なコズミックジャズを展開。全編にわたりクールで精神性の高い濃密なセッションがパッケージされている。現在の日本のジャズシーンにおける最重要人物の一人が提示する、多くの先人たちが築いた“日本のスピリチュアルジャズ”に対する一つの解答といえる意欲作だ。