I Know Too Much

I Know Too Much

シンガーソングライターのエリー・ゴールディングはこれまで15年の月日を費やして、夢見心地なフォークトロニカから、クラブ仕様のシンセポップ、世界を圧倒するEDMバンガーまで、可能な限りあらゆる角度からダンスポップにアプローチしてきた。2023年の前作『Higher Than Heaven』では恋愛の至福という普遍的なテーマを掲げ、綿密に作り込まれたエレクトロポップの完成度を追求するために、私的な物語は意図的に回避したと語っていた。しかし、6作目のアルバム『I Know Too Much』ではその方向性が一転し、彼女はいい子を演じるのをやめ、本音をさらけ出し、パーソナルなソングライティングへと回帰している。 ここでは39歳の彼女が、2023年のヒット曲「Miracle」のようなクラブの高揚感を脱ぎ捨てる代わりに、過去の心を痛めた関係について、ほろ苦くも具体的な言葉で本音をさらけ出す。リードシングル「Black Prada Dress」では、「私の怒りのスイッチを熟知している/黒いプラダのドレスを着た私に品がないと言えるのはあなただけ(You know every single button to press/Only you could call me trashy in my black Prada dress)」とクラシックのストリングスに乗せて歌う。その一方で、「Always Think of You」「Misremember You」のような曲では、物憂げなギターコードに乗せて、自分の痛手を癒やしている。 そして感情の解放はダンスフロアで訪れる。アルバムのラストを飾る「Ravers」は、汗だくのハウスミュージックによるカタルシスが広がり、その中で彼女はパートナーに「死ぬまでレイバーであり続けよう(ravers until we die)」と約束するのだ。

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