

チャック・タイムリーとは一体何者なのか? ロール・モデルことTucker Pillsburyは、自身のオルターエゴであり、3作目のアルバム『Chuck Timely & The Hourglass』の語り手でもある彼を、まだ完全には理解しきれていない。しかし、二つのことは確かだという。まず、タイムリーはブルース・ホーンズビー、フリートウッド・マック、そしていわゆるヨットロックの大ファンであること。それは、彼が好むピアノ中心のメロディが持つ、どこか懐かしい雰囲気からも明らかだ。特にアルバムからの晴れやかなファーストシングル「High Hopes 3000」で、その特徴は最もよく表れている。そして二つ目は、タイムリーが独り身で、恋人を探しているということだ。 Pillsburyはいくつかの曲でタイムリーの役を演じているかもしれないが、彼自身は『Chuck Timely & The Hourglass』がノンフィクション作品であると断言する。本作は彼自身の経験、特に恋愛の合間に多くの自己探求を重ねた変革期に得た教訓を基に描かれている。 「あの時期はたくさんの疑問があって、それをすべてアルバムに込めたんだ。愛は向こうからやってくるのか、それとも俺が愛に歩み寄るべきなのか?なんてこともね」と、彼はApple Musicに語る。「アートを作るためにわざわざ自分を何かに追い込むべきだとは思わないけど、不安定でどこか浮ついた恋愛の初期段階でデートを重ねているような時期に生まれるラブソングは面白いと思う。まだお互いに慣れていないからこそ、そこにリアルさが残っているからね」 こうした疑問は、楽曲そのものの中で展開されていく。オープニングトラックの「Chuck’s Mantra」 は、「僕は本物の何かを/真実の何かを、いつか近いうちに手に入れる資格がある(I am deserving of something real/Something true, someday soon)」という歌詞で、物語の幕を開ける。「「Good Thing」は、この過程で『ああ、もしかしたら愛を見つけたかもしれない』と思った瞬間が描かれているんだ」と彼は言う。「そして『Joy』では、『ああ、そうじゃなかったかも』ってなる。その浮き沈みや、一夜限りの関係からでもラブソングが生まれる感じが好きなんだ」 つまり、タイムリーという存在は単なるオルターエゴというより、ロール・モデルが新たな自信を持って自分自身とその感情の真実を語るための“器”なのだ。「これは僕の最高傑作だと思う」と彼は言う。「内面を深く掘り下げるような作業も、アーティストとして自分が何者であるかを理解し、自分自身を見つけたと感じられているなら、ずっとやりやすくなると思うんだ」