無邪気な音遊びに興じたファーストアルバム『PLAYGROUND』から自身の内面を掘り下げたセカンドアルバム『Detox』へ。半年のインターバルで劇的な進化を遂げたクラフトヒップホップ提唱者のMom。1年2か月ぶりのサードアルバムとなる本作は、内面で渦巻く感情をディストピア小説さながらの批評性に富んだリリックに投影したコンセプチュアルなアルバムとなっている。サウンド面では、シングル曲「ゴーストワーク」や「ハッピーニュースペーパー」に象徴されるポスト・ヒップホップのメロディセンスに磨きをかけながら、制作環境をアップデート。これまでのトレードマークであったローファイな音響をハイファイかつオルタナティブなプロダクションへとチューンアップし、研ぎ澄まされた音楽性とともに大きな飛躍を遂げている。