「これが完成形とは思っていないんです」。砂原良徳(Syn)はTESTSETのファーストアルバム『1STST』について、Apple Musicに語る。TESTSETはもともとMETAFIVEの特別編成として砂原とLEO今井(Vo)が組み、そこに2人と親交のある白根賢一(Dr)と永井聖一(G)が加わった。「バンド名を回文にするのは砂原さんのアイデアで、私がいくつかの案をプレゼンテーションしました」とLEOは言う。「AKASAKAというのも気に入ってたんですけど、砂原さんは『何それ?』という感じで(笑)」。2021年夏に行ったライブは熱い支持を受け、TESTSETは改めてバンドとしての活動を開始。ライブやEPのリリースを経て、2023年夏に初アルバムとなる本作を発表した。 「まずアルバムの制作に入る前にLEO君と『どんな曲が好き?』という話をして」と、砂原は振り返る。「僕がティアーズ・フォー・フィアーズの『Shout』がカッコいいよねと言ったら、LEO君が『実は私も好き』と言うんです。僕らはジェネレーションも違うし、そんなにかぶるところはないと思ってたけど。そこに趣味の一致があると知り、やってみようという気分になりました」。そして、白根と永井の存在も大きかった、と砂原は言う。「この4人でセッションをゼロから一緒にやるのは初めてのことで未知数だったけれど、白根さんと永井君も曲を書いてくれて、すべてがこのアルバムに必要な曲だった。彼らのおかげでTESTSETというバンドがより具体化したと思います」 ボーカルは基本LEO今井がメインで取っているが、唯一「Stranger」では永井がメインボーカルを務め、LEOがコーラスを付けた。「それがすごく楽しかった」とLEOは振り返る。「METAFIVEのときに(高橋)幸宏さんのボーカルにハモりを付ける感覚に近かった。ハーモニーを付けるのって、デコレーションケーキにチェリーを載せて完成させるような楽しさがあって、歌っていて気持ちいいんですよ。幸宏さんともよく『ハモりを録るのって楽しいよね』という話をしていました」 TESTSETはライブから始まったバンドであり、ライブにかける思いも特別なものがある。砂原はこう語る。「僕はレコーディングは曲を具体化するのが目的だと思っていて、これが完成形だとは思っていない。ライブにはまた違う形があって、ライブだとLEO君はもう少し自由に歌うんじゃないかな。白根さんのドラムや永井君のギターも、もっと前に出てくると思う。(この作品を聴いて)音源とライブの差も楽しんでほしいです」
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