Alexandra Palace, London, Feb 27, 2026 (DJ Mix)

Alexandra Palace, London, Feb 27, 2026 (DJ Mix)

2025年10月、ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルは、パリで開催されたBecause Musicの20周年記念パーティーで、Fred again..と共にDJプレイを披露するという、めったにない公のパフォーマンスを行った。それはバンガルテルにとって16年ぶりのライブであり、その数か月後にロンドンのアレクサンドラ・パレスで行われた『USB002』ツアーの最終公演で、彼が再びFred again..と共演する伏線にもなった。この共演は、ダンスミュージックの伝説と現代の象徴が肩を並べる“音楽的錬金術”のようなものだ。2人は互いに刺激し合いながら、ハウスやレイブの歴史をたどるようにクラシックな楽曲をつなぎ、20世紀後半から21世紀のポップミュージックに至る系譜を示した。 セットはChuck Robertsの「In The Beginning (There Was Jack)」で幕を開け、ダフト・パンク「One More Time」、Fred again..、The Blessed Madonnaの「Marea (We've Lost Dancing)」、そしてマービン・ゲイとタミー・テレルによるモータウンのスタンダード「Ain’t No Mountain High Enough」を織り交ぜていく。Wildchild、808 State、LFOといった1990年代のハウスとテクノの金字塔的な楽曲も登場する。さらに、スケプタのグライム、Dylan Bradyのダブステップ、Animal Collectiveのインディロックなど意外な接点も見せつつ、プリンスやギル・スコット・ヘロンといった偉大な影響源、アッシャーやリル・ジョンによる爆発的な盛り上がりもある。そしてハイライトは、Fred again..がダフト・パンク「Teachers」をプレイする瞬間だ。それは、ダンスミュージックの先人たちへの敬意を示す象徴的な楽曲でもある。 Fred again..は後に「普段は、自分のパフォーマンスを見返さないっていうルールがあるんだけど…」とネットにつづった。「出番が終わったら、そのまま“今”に集中して、また曲作りに戻るだけ。でも、このセットだけは何度も見ちゃう。もうホント、止まらない。たぶん自分の曲ばっかりじゃないから、いつものように自分を厳しくジャッジする声が出てこないんだと思う。今回はただの音楽ファンとして、人間らしい瞬間を誇らしく思ってるだけなんだ」