Vol.II

Vol.II

2026年2月にYouTubeに投稿されたKEXPセッションがバイラルヒットしたおかげで、Angine de Poitrineは隕石のような速さと衝撃で地球を直撃した。おかげで私たちには、このような音楽が人々の想像力を一斉に捉える力を持っているという、途方もない奇妙さを味わう余裕すらほとんどなかったほどだ。ケベック出身のパワーデュオの最もワイルドなところは、その目を引く水玉模様の衣装(きっとすぐにおしゃれなハロウィンパーティーの定番となるだろう)ではなく、プログレの掲示板の片隅で語られていた微分音ギターのチューニングや17/4拍子といった話題を、メインストリームの音楽談義へと押し上げたという事実だろう。 しかし、目新しいビジュアル抜きで音だけ聴いたとしても、Angine de Poitrineの魅力は明らかだ。彼らのセカンドアルバムは、キング・クリムゾンからGizzardに至るまでの実験的なロックミュージックの全歴史を凝縮しつつ、遊び心に満ちた錯乱感と妙にダンサブルなサウンドの両立に成功している。ナンセンスなタイトルの6曲は、それぞれ平均6分という長さだが、いずれも前進する勢いを何よりも重視しており、ダブルネックギターのKhnとドラムのKlekは、絶えず驚くような変貌を遂げていく。 「Fabienk」は、モールス信号のようなメロディと途切れ途切れのブレイクを魔法のようにかき混ぜて、ミュータントディスコのグルーヴへと昇華させている。そこに、何を言っているのかわからないほど恍惚としたチャントが乗せられ、まるで遊園地の絶叫マシンのようなヒステリーを増幅させる。その一方で、「Mata Zyklek」の軽快な指さばきによるギターの速弾きフレーズは、ブレーキケーブルが切れたバイクでハチの大群から逃げ切ろうとするかのような、ターボ全開の疾走感を生み出していく。さらに「Utzp」のカントリー調のクレズマーメタルと、「Yor Zarad」の変拍子で畳みかけるパンキッシュな攻撃性を、このアルバムという煮えたぎる大釜に放り込めば、古きプログレだって現代的にアップデートすることが確かに可能だという、揺るぎない証拠がそろうのだ。

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