Into Oblivion

Into Oblivion

「無駄に作り直さずに、毎回違うことをやろうとしている」と、ラム・オヴ・ゴッドのランディ・ブライ(Vo)はApple Musicに語る。「俺たちは30年やってきたんだ。突然ポルカのバンドに転身するつもりはない。でも、これまでとは違う要素を加えて、同じことを繰り返さないようにしている」 メタルバンドである彼らの10作目は、激しいタイトルトラックがバンドの代名詞とも言える強烈なグルーヴでアルバムの方向性を定め、ブライスは黙示録の四騎士の心情を歌い上げる。世界の終わりを別の面から描いた猛烈なスラッシュメタル「Parasocial Christ」では、ソーシャルメディアに依存する大勢の人々、特に社会の恐怖をあおるネット上の寄生虫たちをやり玉に挙げる。ラム・オヴ・ゴッドを生んだ1990年代初頭のバージニア州リッチモンドの音楽シーンに根ざした曲もある。リードシングル「Sepsis」は、マーク・モートン(G)によると、Breadwinner、Ladyfinger、Sliang Laosといった、活動を止めて久しいリッチモンドのアンダーグラウンドシーンの重鎮バンドから音楽的なインスピレーションを得たという。 「これまでアルバムを作るたびに、特にここ3作で、メンバー同士の協力関係が良くなってきた」とブライは言う。「このバンドでは、曲作りへの貢献を少しばかり重要視するところがある。例えば、『ここは俺が考えたところで、本当に気に入ってる』みたいな感じで、長年にわたって何度も衝突してきた。でも年を重ねるにつれて、自分のパートに固執しなくなってきた。もっと全体を見ようとしているんだ」 その“全体像”がよく表れている「El Vacío」では、ヘヴィネスに幻想的な雰囲気を加えることで、もの悲しくもダイナミックな基盤を築き、ブライの繊細なボーカル表現を支えている。ベースを効かせたスラッジメタル「A Thousand Years」にも同様の陰影があり、ブライは世界の混沌と雑多なノイズの中でひっそりと祝宴を催す現代のバンパイアを思い描く。アルバムのタイトル『Into Oblivion』と共に、それは「死にゆく世界で存在の意味を見失う苦しみの叫び」だとブライは言う。「なぜなら、それが今起こっていることだから」 朗報があるとすれば、音楽を作れる世界がある限り、ラム・オヴ・ゴッドは音楽を作り続けていくということだ。「大抵のバンドは30年も続かない」と、ブライは指摘する。「本当にそうなんだ。だから俺たちはレガシーの域に入りつつあるんだと思う。でも、どんなカテゴリーに入れられるかはどうでもいい。自分が気に入った音楽をやれて、バンドのメンバーもそれに満足している限り、続けていくつもりだ」