

アファメーションや決意表明は、自分自身を肯定したりエンパワーしたりするための有効なツールになり得るが、ダベイビーはまさにそのタイプの人物であるといえる。シャーロット出身のラップスターによる5作目のフルアルバム『BE MORE GRATEFUL』は、2022年の『Baby On Baby 2』以来となる作品。今回、彼は波乱に満ちた時期を経て、再びスポットライトの中心へと歩み出ている。 アルバム全体を貫くのは、タイトルにも表れている“感謝”という姿勢だ。その意識は、「PAPER LOW」での知性と切れ味を備えたラップ巧者ぶりや、「RAIN RAIN」における極めて私的で内省的な思考として結実している。メロディアスで物悲しい「WHAT ABOUT ME」では自身の痛みを正面から語り、「MARINATING」「MIC CHECK」では対人関係におけるもろさや迷いを率直にさらけ出す。さらに自身の経験を踏まえながら、「LETTER TO MY YN」では頼まれたわけでもないが示唆に富んだ助言を投げかけ、「OUT YA BUSINESS」では皮肉っぽくもソウルフルな感触とともに、他者へのメッセージを紡いでいく。 とはいえ、アルバム『BE MORE GRATEFUL』は、「ROCKSTAR」や「Suge」を生み出したダベイビーが手掛けた作品らしく、終始重苦しいムードに支配されているわけではない。「POOTIE TANG」やR&Bの風味を取り入れた「DON JULIO LEMONADE」では、心地よいほどあけすけな表現を展開し、「BABY DADDY MUSIC」では、説得力に満ちた色男ぶりを存分に発揮する。ぜいたくな808のグルーヴと、際どさを隠さないリリックが印象的な「POP DAT THANG」は、マイアミベースの猥雑さや、アトランタのフリークニック・カルチャーに見られる奔放な精神を取り込みながら、現代的でセクシーなダンスチューンへと昇華されている。同様のアプローチは、パーティースターターとして機能する「SHAKE THE SPOT」にも見られ、うねる低音とSplack Packのサンプリングが、サウスのヒップホップへのリスペクトとして響いてくる。