Alfredo 2

Alfredo 2

現代のヒップホップ史において、Freddie Gibbsとジ・アルケミストほどインパクトのある組み合わせは稀(まれ)だ。2020年の『Alfredo』は、単なる旬のラッパー/プロデューサーのデュオプロジェクトという枠を超え、Gibbsがマッドリブと組んで絶賛されたコラボレーションとも、ジ・アルケミストがAction Bronson、Boldy James、Earl Sweatshirtと共演した作品ともトーンが異なっていた。しかし、傑作と認定された唯一無二のマジックを再び形にしようとすることは、大量に出回っている凡庸な続編が示すように、多くのヒップホップアーティストにとって難しい課題でもあり続ける。しかし彼らは今回、テーマとなる犯罪の舞台をマフィアからヤクザへと変えるという映画的な演出力をもって、そんなお決まりの難題を見事に乗り越えた。 シンプルに『Alfredo 2』と名付けられたこの続編は、連動する短編映画がアルバムのリリースに先駆けて公開され、お互いに距離を感じていたからこそ再び結束を強めていく2人の物語がドラマチックに描かれている。そんな背景を知らなくとも、収録された14曲を聴けば、なぜ彼らのパートナーシップがこれほどダイナミックなのかがよく分かる。Gibbsは冒頭から聴き手を圧倒し、「1995」の光沢のあるグルーヴに乗せて、自分と相棒を映画『リーサル・ウェポン』のリッグスとマータフに例えながら自信たっぷりのリリックを繰り出してみせる。そのアティテュードは反抗的な「Skinny Suge II」や不遜な「Lemon Pepper Steppers」でも貫かれ、いずれも軽快なジャズ調のプロダクションに支えられている。 Gibbsの言葉選びは相変わらず詩的で大胆であり、「Gas Station Sushi」「Mar-a-Lago」などの曲では彼の視点が生き生きと細やかに描写されていく。こうしたバースは小綺麗でベーシックなブーンバップに乗せても十分聴き応えがあるだろうが、アルケミストのインストゥルメンタルは間違いなくその出来栄えをより一層高めている。ヴァイブスを構築してそのまま保っていく彼の能力は誰にも真似できないといえるほどで、「I Still Love H.E.R.」や「Jean Claude」のうっとりするような心地よさは聴き手をリラックスさせる。また、ソウル系の「Shangri La」では、サンプリングを驚くほどに抑えてMCの存在感を際立たせる絶妙なバランスとスキルを発揮している。