BRANDY SENKI

BRANDY SENKI

青春は短く、終わりの予感に満ちているから、強烈な光を放つ。2022年に結成された大阪発の3ピースバンド、ブランデー戦記はその事実を、このファーストアルバムで鮮やかに示している。いら立ちや焦燥、疑念、悲しみに満ちた歌の数々は、リスナーの胸に痛みを伴う光となって届く。イギリスの同名ダークコメディドラマ(邦題『このサイテーな世界の終わり』)にインスパイアされたロードムービー風の「The End of the F***ing World」、崩れゆく2人の関係を描く「春」、甘いわなのような夢想に誘い込む「悪夢のような」、美しさの中に不吉な予感が混ざり込む「メメント・ワルツ」。UKロックの影響を感じさせるギターサウンドは刹那的な美しさをたたえ、その美しさは残酷な青春の象徴として立ち上がる。「Coming-of-age Story」では「成長物語が苦手」と歌いながら、その実バンドとしての成長を刻む。若さはいつも不完全で、矛盾しているからこそ人を引き付けるのだと、ブランデー戦記は身をもって体現している。