

結束の固いDIYハードコアパンク・シーンから飛び出し、大衆的な人気を獲得したTurnstile。他のいくつかのバンドと同様に、彼らもまたその成功をどう捉えるべきか頭を悩ませている。ボルチモアを拠点とするこの5人組にとって、2023年のblink-182再結成ツアーでのオープニングアクト出演は、まさに現場での見習い期間となった。「あの夏は、大規模なステージでどう振る舞えばいいかについて学ぶ修士課程のようなものだった」と、ベーシストのFranz LyonsはApple MusicのZane Loweに語る。「blinkは本当に素晴らしい人たちだし、彼らだけでなくサポートチームもとても優秀だった。舞台裏ですべてのことを的確にこなしていたんだ。彼らと一緒にツアーに出てその場に身を置くことで、僕らのクリエイティブを異なる視点に合わせて適応させる術を学べたことは、本当にクールだったよ」 この経験から得た教訓はすべて、4作目となるアルバム『NEVER ENOUGH』の制作に大いに役立った。この野心的なアルバムは、ブレイクスルーのきっかけとなった2021年の『GLOW ON』で見せたジャンルの枠を超える挑戦と、それに伴う新しいリスナー層の獲得をさらに推し進め、全14曲を一つに結びつけるビジュアルアルバムの要素を盛り込んだ作品だ。収録曲の中には、タイトル曲である「NEVER ENOUGH」や「DULL」のような重厚でメロディアスなミッドテンポのアンセムや、『GLOW ON』をさらに進化させた「BIRDS」「SUNSHOWER」といったアグレッシブなハードコアナンバー、さらにはザ・スミスやポリスといった往年の名バンドを想起させる「I CARE」「SEEIN’ STARS」のような、より大胆なスタイルへの挑戦も含まれている。そして、これらの要素を一挙に取り込んだかのような7分近い大作「LOOK OUT FOR ME」もある。 本作のプロデューサーも務めたボーカルのBrendan Yatesにとって、今回の制作はより思慮深く、協働的な作曲アプローチの一環だったという。そして、アイデアの実現のために、たくさんの時間とリソースを使えた贅沢な環境が、このアプローチに対する自信をさらに深めてくれたようだ。「例えば、すごくシンプルな曲があって、『これは今までの自分たちのサウンドとは違うし、みんなは嫌うかもしれないけど、この曲にしかない“何か”を強く感じる』って思えたなら、絶対にそれを受け入れるべき」と彼は語る。しかし、新しくて大胆なことに挑戦するということは、最終的にすべてを捨て去ることを意味する場合もある。Yatesは、アルバムの最後を飾る「MAGIC MAN」を例に挙げる。この曲は、彼の歌声とシンセサイザーだけのデモから始まり、何度も試行錯誤を繰り返した結果、最終的に彼の歌声とシンセサイザーだけの曲としてアルバムに収録された。 Turnstileは自分たちの多才さやお互いへの信頼関係を培ったのは、人生の半分をボルチモアのパンクシーンで過ごしてきたからだと信じている。実践を通じて楽器を学び、複数のバンドで同時に演奏し、コミュニティの重要性を本能的に理解してきた経験こそが彼らの土台そのものなのだ。これらの教訓はバンドが最近までゲストとして立っていた、モッシュピットには決して向かない会場でヘッドライナーを務める時にも確実に役立っている。外から見れば複雑で野心的に映るその姿は、バンドの視点からすれば、気心の知れた親しい仲間たちが互いの大きな挑戦を受け入れているだけのことなのだ。 「信頼は物事をスムーズに進める鍵であると同時に、みんなの幸せにつながるもの」とYatesはいう。「今やっていることに喜びを感じ、これからやることにワクワクできるようになるには、より深い場所に自分から思いきって飛び込む勇気が必要なんだ」