

「僕は自分のことを何よりもソングライターだと思っているし、自分自身について、常にそう感じてきた」とFINNEASはApple MusicのZane Loweに語る。現在27歳の彼は、チャートを独占し数々の賞に輝いた妹のビリー・アイリッシュとの作品群を通して、すでにプロデューサーとして名をはせている。しかし、アイリッシュの大ヒットアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』とApple TV+の番組『ディスクレーマー 夏の沈黙』の劇伴を含む2023年の仕事を終えた時、本人いわく、彼は「自分のことに再び没頭したい」と考えたそうだ。 そこで彼は新しい空間(自宅の研究室の外にあるスタジオ)にて、一緒に心地よく新曲を試せそうなミュージシャンたちに囲まれながら、プロデューサーとしての筋力を鍛えつつ、自身のソングライティングの才能も試してみることにした。本作『For Cryin' Out Loud!』では、そのコラボレーションの軽やかさを聴ける。ソフトロックの滑らかさとインディーならではの不規則なギターを組み合わせた魅力的なアルバムには、リラックス感と洗練さを兼ね備えた魅惑的なポップナンバー「Sweet Cherries」での不安を駆り立てるようなエピローグや、恋恋慕をフックの効いたサウンドと共に描くタイトル曲「For Cryin' Out Loud!」の最後を盛り上げるブラスのような、予想外のひねりも加えられている。ポップソングがどのように機能するかについての彼の鋭い知識は、楽曲のモダンな肌触りと共に輝きを放ち、歌詞でははかないイメージを通して強い感情を伝えるなど、FINNEASのソングライティングの強みは、随所に光る。 このアルバムが感情的なピークを迎えるのは、兄妹の絆がより強くなった瞬間のスナップショットを通して語られる物語「Family Feud」だ。曲はアイリッシュとFINNEASが映画『バービー』に提供したバラード「What Was I Made For?」で二つ目のアカデミー賞を受賞してから10日後に書かれた。「Family Feud」は、兄妹にとって活気に満ちた2024年のアワードシーズンを終えてリラックスしていた時にできた曲で、「他のことは何も考えず、彼女との関係について考えていた」とFINNEASは語る。繊細にまとめられた曲からは、名声が急に押し寄せる以前と変わらず、妹との絆が壊れることはないと感じているFINNEASの静かな黙想が、そっと浮かび上がる。