

フリースタイルラップを極めるべく、大阪、梅田駅前の歩道橋に集ったラッパー、ビートメイカー、デザイナーからなるヒップホップグループによる、メジャーセカンドアルバム。作品リリースを重ねる過程で、それぞれが自身の個性を濃縮させながら、より聴きやすいラップのアプローチを模索してきた梅田サイファーだが、本作は実際の彼らとパブリックイメージの隔たりから生じるフラストレーションを吐き出すKMプロデュースの「YDK」で幕を開ける。テークエム、KOPERU、KennyDoesがファストラップを見せつける「韋駄天S**t」やBACHLOGICプロデュースの「Odd Numbers」でスキルを研ぎ澄ませる一方、Chaki Zuluが手掛けたダンストラック「Rodeo13」や、コントのコンテスト番組のオープニングテーマをジャージークラブにリアレンジした「BE THE MONSTER」では、一曲の完成度を高めるべく、ラップの精度を極めている。そうした双方向からのアプローチは、Mitsu the Beatsをプロデューサーに迎えた「Dots and Lines」で歌われているように、個であり、集団でもある梅田サイファーらしいラップスタイルである。本作『Unfold Collective』はグループの独自性を自覚した上で、表現のリミットの先へと突き抜けている。