ダークに揺らめくサウンドの底からリアルな心の叫びが聞こえてくる、4s4ki（アサキ）のメジャーデビューアルバム『Castle in Madness』。彼女自身が敬愛する国内外の気鋭のアーティストと共演した本作は、オーストラリアのZheani、ニューヨークのPuppet、ロサンゼルスのSmrtdeathといった才能たちが参加した楽曲に加え、ラッパーの釈迦坊主をフィーチャーした「天界徘徊」など、その始まりから聴く者を一気に引き込む。エフェクトを多用した彼女のボーカルは一見ファンタジックな質感を放つが、日本的なメロディや、シリアスな心情をストレートに歌うスタイルも相まって、切実さを帯びている。日常の中の痛みを吐露し、救いを求める最後のスローナンバー「kkkk」も深い余韻を残す。闇と光が交差するような混沌としたイメージもあるアルバムだが、4s4kiが自分自身を誠実に表現した作品だといえるだろう。