一触即発+2

一触即発+2

日本のプログレッシブロック、ひいてはロック史に残る傑作。“日本のピンク・フロイド”とも称された彼らの高い演奏力が発揮された、1974年発表のこのデビューアルバムにはバンドの初期の粋が詰まっている。12分を超えるタイトル曲「一触即発」は、ピンク・フロイドの『The Dark Side Of The Moon』を思わせるサイケデリックな匂いとブリティッシュハードロックに通じる強靭(きょうじん)さが混ざり合った、四人囃子の代表曲。オリジナルアルバムの全5曲は、ラテン風味が滑らかになじむ「空と雲」、メロウなAOR感に白熱した展開がアクセントをもたらす長尺曲「おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)」など、個性的な楽曲ぞろい。当時の顔ぶれは森園勝敏(Vo/G)、中村真一(B)、岡井大二(Dr)、坂下秀実(Key)で、結成から3年が経過したこの時期でも全員が20代前半で、しかも作品をセルフプロデュースしていたという事実には驚かされる。コンガには頭脳警察のTOSHI(石塚俊明)が参加。豊かなイメージを喚起させる歌詞は作詞家の末松康生が主に手掛けており、その言葉の感覚ははっぴいえんど以降の日本語ロックの流れを受け継いでいる。これだけのクオリティに到達しながら、「ピンポン玉の嘆き」では実際にピンポン玉が転がる音を響かせるなど、ユーモアや遊び心を携えていたところにも、このバンドのスケールの大きさを感じる。