

メジャー初アルバムにして非常に異端で、圧倒的なバンドの像を見せる一作。初期のTHE BACK HORNは、グランジやオルタナティブロックの影が濃く、そのタフなエネルギーを高いテンションで、また時には繊細な歌とともに表現しようとする姿が印象的だ。ただ制作に入る段階の彼らは、それまでのベーシストが脱退したためにボーカルの山田将司が5曲でベースを弾いたり、自分たちの新しい方向性を模索するために曲作りから悪戦苦闘したりと、混沌(こんとん)とした状況にあった。その苦境を乗り越えて完成した本作は、例えば「ひょうひょうと」で命についての言及があるように、生命、あるいは生きることを主題に掲げようとしている彼らの姿勢が感じられる。「夕焼けマーチ」はメンバーを含めた“もろこし楽団”が大人数で音を鳴らし、声を出し、まさに生命の行進のようだ。また、シングルになった「空、星、海の夜」の「強く望むなら/歌が導くだろう」という歌詞にあるように、バンドとして強い気持ちを持って音楽を鳴らしていく意志を見せている。こうして2001年、『人間プログラム』はTHE BACK HORNが異形の音楽を奏でるバンドであるとロックシーンに知らしめ、それ以降彼らの戦いが続いていくことになったのである。