サニーデイ・サービスやかせきさいだぁ、HICKSVILLEと並び、渋谷系のフォーキーな側面を担ったデュオの出世作であるセカンドアルバムのリマスター版。XTC、ジェリーフィッシュといったポップスの匠や90年代のオルタナティブロックがバックグラウンドにある小宮山雄飛とその歌声から強い影響がうかがえる忌野清志郎をはじめ、フォークやリズム＆ブルースに根ざしたワタナベイビー。本作は、それぞれに個性的な2人がビートルズ由来のポップスピリットや毒気のあるユーモアのセンスを余すところなく注ぎ込み、デュオのアイデンティティを確立した作品。代表曲の「恋はいつも幻のように」や曽我部恵一がギターで参加した「6/8」、小島麻由美のコーラスをフィーチャーした「いる」など、その楽曲は当時の音楽シーンの多幸感に満ちたムードもたっぷりと含んでいる。