ワタナベイビーと小宮山雄飛から成るホフディラン。メンバーの知人に保父がいたこととボブ・ディランをかけて名づけられたというバンド名が示すように、彼らの音楽には奇妙なユーモアとたくましい歌心が共存しており、それは1996年にメジャーデビューした頃からの一貫した個性である。洋楽からの影響の大きいサウンドも相まって、1990年代には渋谷系の系譜にあるロックバンドとして無二の存在感を放った。およそ3年半の活動休止を経て2006年に復活、以後は両者それぞれの活動と並行してバンドを存続させてきた。洗練された音の感性と毒気もはらんだ歌の世界は、ベテランの域に達してますます強いパワーを放っている。