

春の終わり、瓦礫の世界を通って岬へと向かう。
1
この家で暮らす。三人で。「これから、私たちが住む家だよ」
2
雨降る神社で出会った二人、と狛犬。「あんた、名前は?」
3
久しぶりに抱きしめられてほめられて。「よく生きていてくれた。よく頑張った」
4
草刈りして、冷たい井戸水で顔を洗う。 「…っ、はあぁー」
5
三人で囲む食卓。静けさが心地よくてあたたかくて。「………おいしい」
6
昔話1「マヨイガ」
7
ひよりの手をつかんで走る。目は過去を見て。ただ守ろうとして。「逃げなきゃ」
8
三人でお買い物。焼きおにぎりは熱々ほかほか。「ほっ、ほっ、ほっ」
9
おせっかいが心地よくて。「あら、そうなの!?」
10
狐崎神楽
11
昔話2「海蛇の化け物」
12
お葬式、うつむくひより、ひそひそ話。「ひとりぽっちだなんて、かわいそうに」
13
くるんと巻いたフルーツサンド。「すごーい!ピクニックみたい!」
14
波にのまれた三つ窯稲荷。海の底の四の窯。「四の窯が、一番大きいんだ」
15
小雨が降って、河童たち。「そりゃかわいそうになあ、ゆったりかまえていれば今に声もでるんだし、心配することはねえんだぞ」
16
河童の宴会、初めて手料理を褒められたユイ。「そうか、うまいぞ!」「うまいなあ!」
17
ユイは河童に驚いて、ひよりは河童の夢を見て。「あれ?楽しかった…?」
18
何気ない朝、何気ない会話。「ほんとだいい匂い、今度私にも教えてよ、作ってみたい」
19
蛇のようなもの、幻を見る人々。寂しさの隙間。「あんた、もうここを出ていこう」
20
昔話3「アガメ」
21
ひよりが思っていること。ひよりだけじゃない。「なんでわたしだけ、わたし、何もわるいことしてない」
22
盛岡から来た田中のお地蔵様、キワの説教。「だっておばあさん、おれだって心配で心配で」
23
父の幻影、息ができない。
24
足がもつれる、うずくまり、悔しくて叫んで、響く。
25
遠野への小旅行、いちばん古い大きなマヨイガ。「なにしろ、山の中をうろうろしている家だからね」
26
ふしぎっとたち大集合、夕方の庭先で。「東北中のふしぎっとが心配してるからな」
27
力を得たアガメ、キワの決意。「みんな、自分にできることをやるしかないのさ」
28
守りたい、守るため、走る。「わたしたち家族なんだから!」
29
それは海から現れる、アガメと対峙するキワ。「さて、やるかね」
30
家族、血もつながってない、でも家族って言ってくれた。「ユイおねえちゃん!ユイおねえちゃん!ユイおねえちゃん!!」
31
普段は見せない、大きく深い悲しみ。「ここのみんなの悲しみは、これほどまでに…」
32
鎮める、笛の音、受け継ぐ力。「わたしにできること」
33
偶然、ここに流れ着いた、ただそれだけでいい。「花が咲くかな?」「もちろん、きれい に咲くだろうさ」
34