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活動を始めたのは日本に進駐していたアメリカ軍を相手に演奏していた50年代。その抜群のアドリブ・センスで人気を博し、その後の戦後復興〜高度経済成長期の日本の社会にユーモアとエネルギーを与えて一世を風靡したコミック・ジャズ・バンドがハナ肇率いるクレイジー・キャッツだ。“無責任男” として人気を博したフロント・マン植木等の、どこか憎めない愛すべきキャラクターを強く印象づけた “スーダラ節” をはじめとして、 “アッと驚く為五郎” や “ハイそれまでヨ” など代表曲を数多く収録したのが、この1970年リリースの「クレイジー大作戦」。物事を深刻に考えるのがバカらしくなるような、あっけらかんとしたポジティブ・エネルギーと、オリジナルなユーモア・センスはクレイジー・キャッツならではの魅力。あと、忘れちゃいけないのは、クレイジー・キャッツは単にお笑いだけを売りにしたコミック・バンドではないという点。そのスウィング感あふれるサウンドからはジャズ・バンドとしての卓越したセンスも強く感じられる。