流れゆく時の中で、きらめく命の賛歌。いきものがかりがメジャーデビュー15周年に放つ9作目のアルバム。2020年にSNSで話題となったワニの4コママンガとコラボレーションした「生きる」、同作を原作にした映画の主題歌「TSUZUKU」など、生と死をテーマにした重厚なメッセージソングが並ぶ。とはいえそこに重苦しいムードはなく、吉岡聖恵の歌声はいつにも増して伸びやかで力強い。人は皆それぞれに悩みを抱えて生きているが、喜びや悲しみも、うまくいくことやいかないことも全てひっくるめて人生なんだと肯定する、しなやかなパワーが本作に宿っている。「チキンソング」や「ええじゃないか」のようなポップでエネルギッシュな楽曲もあり、コロナ禍で沈みがちな人々の気持ちを奮い立たせてくれる。たった一度きりの命を悔いなく生きるための道しるべとなる歌がここに。