一見スタンダードなサウンドの奥に、オルタナティブな香りが漂う Sam Roberts Band の楽曲群。それは1974年生まれの Sam が、ニューウェーブのザ・キュアーや、シューゲイザーの My Bloody Valentine、ブリットポップのブラーをはじめ、ローファイなどの大きな潮流をリアルに体感した結果といえるだろう。さらに、テン・イヤーズ・アフターのジャジーな名品や、ブライアン・イーノによるポップな響きを持つ "The Big Ship" といった、ジャンル外にある楽曲がセレクトされているのも興味深い。