名匠ブライアン・イーノと共に、アンビエントミュージックの黎明期を支えたハロルド・バッド。ミニマルでありながら、ゆったりと風景が変容していくような独創的なサウンドは、アンビエント／実験音楽の潮流としてさまざまなアーティストによって受け継がれている。ノスタルジックな世界観を電子変調で編んだフェネスや、ノイズとループでたおやかな風景を演出したWilliam Basinskiのようなエレクトロニカ、ポストクラシカルの重要人物Eluviumといったアーティストの静謐（せいひつ）な音世界にその影響が見て取れるだろう。