1990年代半ば、J-Popのオルタナティブな流れとして音楽シーンを席巻した渋谷系。洋楽からの影響を強く受けたこのジャンルは、もはやソウルのスタンダードともいえるオリジナル・ラヴの "接吻" や、あの時代の閉塞感を打ち破るほどのポップ性と文学性を放つ小沢健二作品などのたくさんの名曲を残している。それらの曲をカバーするアーティストの幅広さからは、もともと渋谷系サウンドが生まれた背景にある音楽の多様性を再度確認することができる。