スコットランド出身のチェロ奏者／作曲家のPeter Gregsonは、自身の弦楽四重奏曲や映画音楽の作曲はもとより、スティーヴ・ライヒの作品への取り組みや、エド・シーランのようなポップ界の人気アーティストとのコラボレーションも行うなど、21世紀のあらゆる音楽シーンで活躍するアーティストだ。クラシック、ポップ、エレクトロニック、映画、広告などの世界を自在に飛び回るGregsonの能力は、2010年以降、着実にそのエネルギーを増大させ続けている。そんな彼の真骨頂は、バッハの名曲を巧みなニューアレンジでレコーディングしたアルバム『Bach: The Cello Suites - Recomposed by Peter Gregson』にもよく表れている通り、瞑想的なメロディを展開しつつ、思わず引き込まれるリズムの推進力を有する、温かみのあるミニマルミュージックにある。