

1988年に札幌で結成し、ハードコアパンクの精神を軸にアグレッシブな3ピースのアンサンブルを聴かせるeastern youth。激情サウンドとともに、吉野寿(Vo/G)による語りかけるような、また魂で叫ぶようなヴォーカルで喜怒哀楽とそこには収まりきらない心の機微を歌い、リアルな自己を音楽に切り出していく姿は聴くものの胸を打つ。またその歌詞は、日本語ならではの情緒や詩情にあふれる筆致で、記憶に眠る景色をも呼び起こす懐かしさの琴線にも触れる。血が沸き立つような一瞬の感情と、普遍性とを兼ね備えたじつに鮮やかな音楽だ。アンダーグラウンドシーンとメジャーなロックシーンとをまたいだ活動をし、自主企画「極東最前線」では独自の審美眼がさえる、多種多様なアーティストをリスナーに紹介。CursiveやAt the Drive-In、ジミー・イート・ワールドといった海外のバンドとも共振し、国内外でその名を轟かせるバンドでもある。真にインディペンデントでオルタナティブなその音楽や活動姿勢は、今なお多くのバンドに影響を与えている。