失われた希望を描き出すかのように、ラプスリーが奏でるエレクトロニックポップソングは、余計な装飾を排し、必要最低限なサウンドで、その歌声に込められた絶望感を際立たせている。イングランドのストックポートで育ち、子どもの頃からオーボエ、ピアノ、ギターのレッスンを通してクラシック音楽の和声が持つ可能性に触れた彼女は、ミニマルな電子楽器と訴えかけるようなポップなメロディから、その繊細なサウンドを生み出した。宅録によるデビューEPはインターネット上で大きな話題を呼び、2014年に100万回もの再生回数を記録（幼い頃のビリー・アイリッシュも彼女のファンだった）。彼女はその翌年に、シングル「Hurt Me」のヒットでブレイクを果たした。その繊細な世界観に触れてみよう。