

トム・ヨークが初のソロアルバムとなる「The Eraser」をリリースしたのは2006年のこと。以降、レディオヘッドの活動といくつかのサイドプロジェクトを並行させながら、充実したキャリアを築いてきた。彼にとってのソロワークは極めて思考的な実験の場である一方で、「The Eraser」をライブで演奏するためにレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーらとコラボしたプロジェクトAtoms for Peaceは、リズムとグルーヴを本能的かつフィジカルに生み出していく興奮の場だった。そして2018年にリメイクされたホラー映画のサウンドトラック『Suspiria』の全編を担当。不気味な金属音やループ、シンプルなピアノの弾き語りに加えて、初の本格的なオーケストラを采配してのシアトリカルなナンバーにもチャレンジしている。