1942年、バイーア州で生まれたカエターノ・ヴェローゾは、ジョアン・ジルベルトに影響され音楽の道に進み、同郷で同年のジルベルト・ジルらと共に1960年代後半、トロピカリアと呼ばれる新時代の音楽ムーブメントをけん引した。ロンドン亡命からの帰国後も、ブラジルの伝統音楽と海外の音楽のミクスチャーに挑み続け、あくなき創造力を発揮している。音楽性は多彩だが曲は親しみやすく、言葉の響きの美しさを生かした哲学的な詩、年齢と共に甘美で妖艶な色気を増した歌声も魅力。後輩のミュージシャンに絶大な影響を与え続けるブラジル音楽界の司令塔であり、海外のロックミュージシャンからも熱い支持を集めている。