

ドイツの人気カルテット、アルテミス四重奏団のメンバーは学生時代にリューベックの音楽大学で出会い、ベルリンの壁が崩壊した年、1989年にアンサンブルとしての活動を開始した。レパートリーの中核を成すのは、ベートーヴェンやブラームスの弦楽四重奏曲といったオーセンティックなクラシックであり、カルテットはこのような楽曲を、アルテミスならではの華やかさが輝く、絶妙にバランスのとれたサウンドで聴かせてくれる。しかしそれだけではなく、このカルテットは、アルゼンチンタンゴの改革者であるアストル・ピアソラのピアノ五重奏曲や、テクスチャの表現が重要なポイントとなるリゲティ・ジェルジュの弦楽四重奏曲といった現代の楽曲においても、繊細で巧みな演奏を披露している。