はじめての ささみ

はじめての ささみ

2010年代にロサンゼルスのインディーバンド、Cherry Glazerrのキーボード奏者として活動していたSasami Ashworthは、“ささみ”名義のソロデビュー作『SASAMI』を2019年に発表した。クラシックの教育を受けた作曲家である彼女は、このアルバムでドリームポップで心情をつづるシンガーソングライターへと自己改革し、「I Was a Window」のような、デリケートなローファイサウンドに乗せた告白ソングをサイケデリックなギターの音色で彩った。だが、続く2022年のアルバム『Squeeze』では、ささみはファーストアルバムでのささやくような歌声に対して、つんざくような叫び声で答える。「Skin a Rat」や「Say It」のような激しい楽曲では、2000年代初頭のニューメタルや1990年代のインダストリアル・オルタナロックへの傾倒を示した。一方で、スローなナンバーの「The Greatest」では、まるで彼女をポストグランジ時代のシェリル・クロウとでも言わんばかりに位置付けてみせるのだった。彼女は、変幻自在なシンガーソングライターなのである。

おすすめアーティスト

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ