TM NETWORK
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TM NETWORKについて

TM NETWORK(以下TMN)の音楽には未来が見える。小室哲哉(Syn/Key)、宇都宮隆(Vo)、木根尚登(G/Key)の3人によるユニットが1984年にデビューした時から、彼らにはそんなイメージがあった。音楽シーンには新しい潮流が続々と生まれたし、3人が別々になった時間も長い。それでもTMNの音楽は未来を感じさせ、この先に夢や希望が訪れることを期待させてくれる。

TMNは音楽を通じて表現する上で、常に新しいことに挑んできた。1980年代当時の最先端のテクノロジーを取り入れた「Self Control(方舟に曳かれて)」(1987年)や「Get Wild」(1987年)、「KISS YOU」(1987年)などのヒット曲の数々は、音色の一粒ずつがきらめいていた。1998年のアルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-』で示した世界観を通じ、ストーリーやコンセプトというものが音楽で表現できることを初めて体験したリスナーも多かっただろう。もともと洋楽ロックに強く影響を受けた3人は、それを下地にしながら日本で革新的なポップを生み出すことに向かっていたのだ。また、デジタル機材の導入にも積極的だった彼らは、サウンド面だけでなく、コンサートのビジュアル演出においてもテクノロジーを使って独創性を見せたのだった。

こうした野心は、一つ間違えばマニアックなファン層だけにアピールすることになってしまいがちだが、TMNは見事にセールス的な成功をあげ、テレビの音楽番組にも出演し、大会場でのライブも実現させていった。おそらく小室哲哉の先端的で鋭い音楽的志向性は、木根尚登によって分かりやすいものに中和され、それを宇都宮隆の歌がよりポップな地平へと昇華させたのだろう。大衆性と先進性の両方を備えたTMNの音楽は、だからこそ大きなスケールで、しかも輝くようなデジタルの世界観とともにリスナーの元へ届けられていったのだ。

やがて時代は大きく変わり、デジタルを駆使したサウンドや表現はごく当たり前になった。しかしそれでもTMNの作品群に残された、新しいものを生み出そうという意志、誰もやっていないことに挑む姿勢には、心が揺さぶられてしまう。きっとそこには3人だけが持っていた高ぶりが込められていて、それが未来を感じさせ続けてくれるのだろう。

TMN自体は幾度かの再活動を繰り返しているが、その音楽のパワーは時代を超えて支持されている。たとえば何度もリミックスされている彼らの代表曲「Get Wild」は、発売30周年を迎えた2017年には記念の企画コレクションがリリースされたり、1987年放送のテレビアニメ『シティーハンター』(当時のエンディング曲)が2019年に映画化された際には再び話題になるなど、その影響力の大きさを示している。

時代を超えて、ロマンチックな未来を感じさせてくれるTM NETWORKの音楽。それはまるで奇跡を見ているかのようである。

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