Tempalay
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Tempalayについて

Tempalayは、この日本のメジャーシーンで活躍しながらサイケデリックな感覚を表現している点で画期的な存在といえる。そのようなベクトルを持つロックバンドは、ゆらゆら帝国以来かもしれない。

その異彩は、例えばテレビドラマのエンディングテーマに起用され、彼らのファン以外の層にも大きくアピールした2021年の「あびばのんのん」にも色濃く表れている。和の趣もあるミディアムテンポのこの不思議な楽曲には、同時代のバンドがあまり持っていない、ふわりふわり、のらりくらりと漂うような空気感がある。日常と非日常との境目を曖昧にしてしまう魔力のような、サイケデリックな感覚が宿っている。

2015年にEP『Instant Hawaii』でデビューした当初から、Tempalayにはどことなく周囲から浮き上がったような印象をリスナーに与えた。小原綾斗(Vo/G)の歌やバンドの演奏には、つかみどころのないような、ジャンル分けが難しい世界観がある。実際、小原は2021年のApple Musicのインタビューに対し「今の音楽シーンでやられていないことをコンテンツ上に昇華するのが基本的な自分のテーマ」と語っており、独自の世界観は意識して作られているということが分かる。

メンバー間の結束が緩やかなことも特徴で、藤本夏樹(Dr)はJohn Natsuki名義でのソロ活動を展開し、2020年に初のソロアルバム『脱皮』をリリースしている。最初はサポート役だったAAAMYYY(Key)は2018年に正式に加入し、2019年にはアルバム『BODY』を発表するなど、ソロでの活動も続けている。

バンドが3人体制になってから、作品として最初に大きな成果を上げたのは2019年にリリースした3作目のアルバム『21世紀より愛をこめて』である。それまではどことなくストレンジな印象があったTempalayが、バンドとしてひときわ異彩を放つ作品となった。そしてその後、トライバルな浮遊感をたたえた2020年のシングル「大東京万博」を挟み、2021年春にリリースしたフルアルバム『ゴーストアルバム』では、このバンドがいかに並外れた存在であるかを見せつけた。サポートベーシストにBREIMENの高木祥太を迎えた3人はサウンドの非日常感に磨きをかけ、リアルとシュールの交差をよりディープに表現。盟友であるドミコのさかしたひかるがギターテックで参加したことも大きく貢献している。

着実に進化を続けるTempalayだが、その足取りは確かなものというより、どう飛んでいくのか予測不能なところがある。そんな把握しきれない側面もまた、Tempalayの魅力の一つかもしれない。Tempalayが表現するシュールな感覚は、リスナーを日常と非日常のはざまへと誘い続けるだろう。

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