Red Velvet

2010年代後半にK-Popシーンの女王的存在となったRed Velvetは、多彩な音楽スタイルを打ち立てることで、他の多くのグループとは一線を画すことに成功した。グループ名にも多様性が反映されており、“Red”はアップビートでポップな一面を、“Velvet”はスローでソウルフルなサウンドを意味している。多くのK-Popアーティストと同じように、メンバーのIrene、Seulgi、Wendy、Joy、Yeriもまた、大手エンターテインメントグループ（彼女たちの場合はSM Entertainment）によって集められ、ひとたび世に放たれると、彼女たちの音楽的な個性が前面に押し出され、たちまち成功を収めた。2014年のデビューシングル「Happiness」は韓国で5位を記録。パンチとシンコペーションの効いたダンスポップは、彼女たちのスタイルの中でも“Red”を象徴するもので、そのミュージックビデオに描かれた、喜びに満ちた色彩の爆発と万華鏡のようなイメージも人気を呼び、バイラルヒットとなった。翌年にはデビューアルバム『The Red』が韓国のアルバムチャートで首位を獲得し、ダンスミュージック、R&B、エレクトロポップ、ヒップホップからの影響をミックスした、彼女たちならではのサウンドを世に知らしめ、中でもアルバムに収録された爆発的でファンキーな「Dumb Dumb」は、Red Velvetにとって最大のヒット曲となった。2017年のセカンドアルバム『Perfect Velvet』では、さらに多くのファンを獲得し、彼女たちが単発的な人気で終わらないことを証明してみせた。多くのヒット曲では、Red Velvetの中でも“Red”なサウンドが好まれる傾向にあるが、スローで官能的な「Moonlight Melody」のような楽曲では、彼女たちの“Velvet”なアプローチが際立ち、聴く者を魅了する。