KIRINJI
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KIRINJI

KIRINJIについて

KIRINJI(キリンジ)は日本のポップミュージックの一つの潮流を作った重要な存在である。1990年代後半にキリンジの名義でデビューしたころは渋谷系の新しい勢力として、また、2000年代に入ってからはシティポップの過去と未来をつなぐバンドとして、音楽シーンの中においても常に何かしらの役割を果たすところに位置している。

彼らについて触れられることが多いのは、名曲中の名曲「エイリアンズ」(2000年)であり、さらには「双子座グラフィティ」(1998年)や「ムラサキ☆サンセット」(2001年)といった、主に初期のナンバーだ。バンドは一貫して良質なポップソングを紡ぎ続けていて、その誠実で真摯(しんし)な姿勢は活動全般を通じて揺らぐことがない。それだけに音楽ファンからの信頼は非常に厚く、KIRINJIだったら間違いない、という見方をされるほどだ。

だが、決してKIRINJIは良心的な音楽をきれいに奏で続けてきただけではない。彼らの楽曲の中にはひねくれた感情や屈折した視線の楽曲も多く、むしろそこにこそKIRINJIの本質がにじみ出ている感もある。例えば、歌詞のドラマ性が高い「悪玉」(2000年)や痛烈な言葉が並ぶ「ハピネス」(2003年)などを聴けば、彼らが一筋縄ではいかない人間たちであることがすぐに理解できるだろう。そしてそうした裏側の感情を表現しきる感覚にこそ、KIRINJIの音楽に対する姿勢がうかがえる。人間の持つもの、音楽が抱えるものは、そのぐらい巨大で深いのだと。

デビュー以前から、堀込泰行と堀込高樹の兄弟ユニットとして認知され、活躍していたが、2013年に弟の泰行が脱退することとなり、この体制は同年のアルバム『Ten』で一区切りに。以降はコトリンゴなどの新メンバーが加入し、兄の高樹を中心とした6人の編成へと変わり、名称もカタカナから英字表記に変更となった。ここからのKIRINJIはより柔軟な制作態勢を取るようになる。その典型的な楽曲が2016年リリースの「The Great Journey」で、これはRHYMESTERをフィーチャーしたダンサブルなトラックでファン以外も驚かせたが、もともとはベースの千ヶ崎学をネタにした遊び心満載の曲だったという。2017年にはCharisma.comを招いた「AIの逃避行」でコラボレーション路線がさらに追求された。

この6人バンド体制のKIRINJIは2020年で終了となり、翌年のシングル「再会」からは堀込高樹のソロプロジェクトに移行した。KIRINJIのポップミュージック探求の旅は、まだまだ続いていく。

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