アメリカのボーイズグループの人気が低迷し始めた2000年代、音楽ファンはそれに代わるダンサブルなポップサウンドを求めて世界中に目を向けると、その穴を埋めるようにK-Popが台頭した。その中でも間違いなくGOT7は、韓国最大の輸出品とも言われるK-Popの豊かな創造性を象徴するグループとなったのだ。

2014年に大手事務所JYP ENTERTAINMENTによってソウルで結成されたGOT7は、国際的なバックグラウンドを持つことで知られる。7人のメンバーのうち、4人は韓国出身で、残りの3人はそれぞれタイ、香港、アメリカ出身だ。同じ曲の中で英語、韓国語、中国語、スペイン語を自由に行き来して、多様でグローバルなファン層に語りかけることができるため、グループは結成当時から傑出した武器を持っていた（彼らは日本語でもアルバムをリリースしている）。だが、GOT7の真の功績は、ダンスポップ、EDM、R&B、ラップを巧みにミックスしたことだろう。ファーストシングル「Girls, Girls, Girls」から圧倒的なエネルギーを放ち、アジア全域やアメリカでファンを獲得することに成功した。そして彼らは、ニューヨークのバークレイズセンターで初めて単独公演を完売させたK-Popグループになった。

時を経て、それぞれのメンバーが曲作りやプロデュースでより大きな力を果たすようになると、まばゆいばかりのフックを詰め込んだ多数のEPがリリースされた。また、彼らは政治的な目的のために自分たちが声を上げることを恐れないことでも知られている。2020年には、メンバーのMark Tuanがジョージ・フロイド記念基金に寄付し、人種間の平等についての情報や資料をSNSに投稿した際、グループがアフリカ系アメリカ人アーティストに多大な恩義を感じていることを述べた。