Fishmans

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Fishmansについて

1987年に結成されたFishmansは、1980年代末のバンドブームからはみ出し、1990年代の渋谷系の流れにも含まれることがなかった孤高のバンドだ。独自のスタンスと音楽性故にその作品の数々は時代を超え、国境を越え、多くのリスナーを魅了している。同じ大学の音楽サークルを通じて知り合った佐藤伸治(Vo/G)、小嶋謙介(G)、茂木欣一(Dr)の3人に、柏原譲(B)、ハカセ(Key)が合流。5人編成のバンドとして、1991年に元MUTE BEATのこだま和文のプロデュースによる『Chappie, Don't Cry』でアルバムデビューを果たした初期は、ロックステディをポップに昇華した作風が大きな特徴だった。その後、活動を重ねる中で、ダブやファンク、ヒップホップなどの要素を取り入れ、サウンドを進化させながら、2度のメンバー脱退、レーベル移籍を経て、1995年、当時としては珍しいプライベートスタジオ、ワイキキビーチ/ハワイスタジオを設立。エンジニアのZAKを共同プロデューサーとして制作された、1996年2月のアルバム『空中キャンプ』、同年10月の『LONG SEASON』、1997年の『宇宙 日本 世田谷』の世田谷3部作において、その音楽性は劇的に深化。サンプリングのループやパッドを駆使し、ギタリストの木暮晋也やバイオリニストのHONZIをはじめとするミュージシャンを交えた革新的な音楽世界は、クラブミュージックのリスナーからも支持を集めたが、ここでもトリップホップやエレクトロニカ、テクノ、チルアウトといった既存のフォーマットに収まることはなかった。ムーブメントや時代性といったある種の集団幻想が大きな流れを生み出した音楽シーンにあって、Fishmansは孤高の存在であり続けた。バンドは共感を求めることも、悲観的になることもなく、その根幹には、孤独や断絶をそのまま描き出した佐藤伸治の歌詞世界がある。捉え方によって、優しく穏やかに、あるいは鋭利で暴力的にも感じられる言葉がトリッピーなサウンドと結びつくことによって、聴き手は独自の磁場が存在する唯一無二の世界を浮遊することになる。1999年に佐藤が永眠した後も、残されたメンバーが不定期にライブを行っているが、その作品に宿る不思議な磁力は全く弱まることなく、新たなリスナーを生み出し続けている。

出身地
Tokyo, Japan
結成
1987年
ジャンル
ロック

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米国およびカナダ