100 Best Albums
- 2013年9月9日
- 12曲
- AM · 2012年
- Whatever People Say I Am, That's What I'm Not · 2006年
- Favourite Worst Nightmare · 2007年
- Whatever People Say I Am, That's What I'm Not · 2005年
- AM · 2013年
- Favourite Worst Nightmare · 2007年
- Favourite Worst Nightmare · 2007年
- AM · 2013年
- AM · 2013年
- Whatever People Say I Am, That's What I'm Not · 2006年
必聴アルバム
- 『AM』は、Arctic Monkeysがそのリリースの半世紀も前から作り続けてきたアルバムのように感じる。そこには部屋で一緒に演奏するバンドサウンドから脱却し、1970年代のBlack Sabbath風のリフと、彼らが10代の頃から慣れ親しんできたドクター・ドレーのアルバムの洗練されたプロダクションを組み合わせようとする意志があった。それによって生まれたのは、滑らかでリズミックなロックンロールとR&Bが魅惑的な融合を果たした本作であり、まだ若かった彼らのキャリアの中でもとりわけ先進的なものだった。 オープニングナンバーにして、本作の名刺代わりの一曲でもある「Do I Wanna Know?」は、ソウルフルなフックと尖(とが)ったリフが骨太でミニマルなビートに乗った、まさに『AM』のすべてを映し出すかのようなナンバーだ。Arctic Monkeysは2006年の『Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not』で、史上最もスリリングなデビューアルバムを既に作っていた。2回目の傑作である本作は、バンドが自分たちを特別な存在にしたものを犠牲にすることなく、どのように成長し、実験できるかというひな形を作り、デビューアルバムを上回るほどの成功を収めた。
- 全英初登場1位を記録したArctic Monkeysのデビューアルバム。本作はUKロックの新世代の到来を鮮烈に告げた記念碑的傑作であり、シェフィールド出身の10代の少年たちの恐るべき才能はセンセーションを巻き起こした。"I Bet You Look Good on the Dancefloor"の焼け付くようなガレージパンクの興奮に、"When the Sun Goes Down"のシャープで迷いなきギターリフ、そしてザ・ジャムやオアシスのトラディショナルなUKロックのメロディやリリシズムを受け継いだ"Mardy Bum"と、このアルバムには2000年代的なクリシェを脱ぎ捨てた先にあるべき最高のロックンロール、およそ考えうるそのすべてが詰め込まれている。イギリスのティーンの半径5メートル内の日常をリアルにつづったフロントマンのアレックス・ターナーによる歌詞は、同世代のリスナーの大きな共感を得た。
アルバム
アーティストプレイリスト
- 現代のガレージバンドの理想形。カリスマティックなヴォーカルと重厚なサウンド。
- ZaneがArctic Monkeysのアレックス・ターナーにニューアルバムについて聞く。
- 世界中のロックファンに衝撃を与えた、2000年代を代表するUKバンドのビデオ。
- Arctic Monkeysのワールドツアーで披露される楽曲の数々をコンパイル。
- Arctic Monkeys の音楽性に影響を与えたアーティストたち。
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Arctic Monkeysについて
2000年代半ばの音楽シーンは、スキニージーンズを履いてガレージロックを鳴らす新人アーティストに事欠かず、さまざまなバンドがThe Strokesやザ・リバティーンズに続いて音楽誌『NME』の表紙を飾ろうと競い合っていた。しかしイギリス、シェフィールド出身のArctic Monkeysは、そうした彼らのヒーローであるバンドたちに匹敵するほどにメディアの熱狂を掻き立てただけでなく、完全に超越して自らもロックの権威になった。バンドを結成した2002年にはまだ16歳だったシンガー/ギタリストのアレックス・ターナーは、瞬く間に人並み外れた知性とウィットに富んだソングライターとしての地位を築き上げ、そのおかげでバンドが2006年にリリースしたけんか腰の一斉射撃のようなアルバム『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』はUK史上最も速いペースで売れたデビュー作になった。このアルバムでターナーはレイ・デイビス/ポール・ウェラー/デーモン・アルバーンの流れをくむイギリスのパブロック哲学者の仲間入りを果たしたが、Arctic Monkeysは国内の現象にとどまる気はなく、世界制覇に狙いを定めた。2009年の『Humbug』では、プロデューサーを務めたQueens of the Stone Ageのジョシュ・オムの助けを得てリフの厚さを増し、さらに全米チャートのトップ10入りを果たした2013年の大ヒット作『AM』には、「Do I Wanna Know?」「R U Mine?」のようなヘッドライナーの常連になった彼らにふさわしいフェスティバル向きのシンガロングできるノリのいい曲が並んだ。そして世界最大のロックバンドに名を連ねると、Arctic Monkeysはその中でも自分たちが特に冒険的なバンドであることも証明した。2018年のグラム・ジャズのコンセプトアルバム『Tranquility Base Hotel & Casino』では、ターナーは複雑なSF物語を作り上げ、バンドが宇宙の軌道を回る存在になってもストリートに足を着けたまま、資本主義やメディア依存症といった現実世界の苦悩を表現してみせたのだった。
- 出身地
- Sheffield, England
- 結成
- 2002年
- ジャンル
- オルタナティブ