aiko
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aikoについて

aikoの歌には魔法が宿っている。その歌を聴けば、当たり前に続く毎日や、見慣れたはずの風景がキラキラと輝きだす。

1975年、大阪に生まれたaikoは、学生時代から音楽コンテストなどで注目を浴び、1998年にメジャーデビュー。その名を一躍広めたのは、募る恋心を奔放なメロディで歌った「花火」(1999年)だった。自分の意思とは裏腹に走り出した恋を“夏の星座にぶらさがって 上から花火を見下ろして”俯瞰するシーンは、斬新でありながら、誰もが共感する心の機微を捉えた名場面。夏と恋と花火。日本のポップシーンにおいて何度も歌われてきたモチーフに、aikoが特別な魔法をかけた瞬間だった。

「花火」を収録したセカンドアルバム『桜の木の下』(2000年)はミリオンヒットを記録、aikoはトップシンガーの仲間入りを果たす。この年に放った「ボーイフレンド」も鮮烈だった。“テトラポット登って てっぺん先睨んで 宇宙に靴飛ばそう”という歌詞は、恋によってどこまでも自由になる心をリアルかつファンタジックに捉えたもの。メロディメイカーとしても天賦の才を発揮したこの曲で、aikoは「NHK紅白歌合戦」に初出場した。

リアリティのあるラブソングで大きな支持を得たaiko。その表現はキャリアを重ねるごとに深みを増し、人生の意味や命の尊さを伝える歌も増えていった。6作目のアルバム『夢の中のまっすぐな道』(2005年)はその片鱗が見える過渡期のアルバム。中でも大阪の街の風景を描く「三国駅」は、aikoの個人的な体験にも基づいた楽曲。しかし不思議なことに、この曲を聴いた人は、それぞれの思い出の場所を心に思い描くことができる。aikoはまるで、人々の記憶の箱を開ける鍵を持っているかのようだ。

恋に落ちたとき、恋に破れたとき。たくさんの人がaikoの歌を聴き、aikoの歌とともに大人になっていった。そんなファンとaikoはとても濃密なコミュニケーションを築いている。aikoはライブ中、彼らとたくさんの言葉を交わす。ステージと客席の間に垣根などなく、あなたも私も大切な人生を送る仲間だと語りかけるように。おそらくここに、aikoの魔法の秘密がある。

aikoのアルバムは、ファンに宛てた手紙のようでもある。新型コロナウイルスの影響でライブの開催が難しくなった時期に届いたのは『どうしたって伝えられないから』(2021年)。このアルバムをリリースした時、aikoはApple Musicにこう語った。「みんなに会えなくて寂しい。ちゃんと目を合わせて話がしたいな」。この切実さこそ、aikoの歌の魅力。aikoはいつだって、同じ時代を生きる仲間と心を通じ合わせるために歌を歌っている。

  • 出身地
    Suita, Osaka Prefecture, Japan
  • 生年月日
    1975年11月22日

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