山口百恵

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山口百恵について

日本歌謡史に残るシンガーであり、社会的な見地から言えば、昭和史に残るほどの影響力を持った芸能人である。デビューから引退までの期間は8年ほどと、決して長くはない。1980年10月、日本武道館でのファイナルコンサートで最後の曲を歌い終えたその舞台にマイクを置いて去り、以降、人前に出ることを一切断った山口百恵は、それほど歴史的で画期的な存在だった。彼女が特に印象に残る人として認識されている証しは、目覚ましい才能を持ったシンガーが台頭してきた際に、その比較や引き合いの対象として、必ず百恵の名前が筆頭に挙がることだ。たとえば同じレコード会社からデビューしたアイドル歌手の松田聖子、歌にのぞく少女性や不良性など共通点も多く語られた中森明菜、1990年代から2000年代にJ-Popのトップランナーとして駆け抜けた浜崎あゆみなど、その時々を象徴する女性シンガーは、多くの場合に山口百恵と比べられた。百恵は、1970年代、あるいは昭和という時代を背景にしながら、アイドル出身ながら華やかさと陰りを共に持つ歌い手であり、さらには映画やテレビドラマの女優としての輝きも持つ。引退後もさまざまな角度から光が当てられ、あらゆる言葉で語られる彼女は、日本の芸能界において、今もなおオーラを放っている。そうした百恵の底知れぬ魅力は、シンガーとしての表現において特に際立つものを持っていた。1973年に14歳でデビューした当初の「としごろ-人にめざめる14才-」で見せた健康的なアイドルポップに始まり、大ヒットした「ひと夏の経験」などで展開された際どい楽曲の数々は、当時の歌謡界では革新的な試みだった。「横須賀ストーリー」ではどこか自伝的で独白めいた歌唱という境地を開拓し、バラードの「秋桜」では繊細極まりない声を、「プレイバック part 2」ではたんかを切るようなシャウトを、「いい日 旅立ち」では揺らめく心を投影した美しいボーカルを聴かせた。そして結婚を機に引退する直前の1980年にリリースした「さよならの向う側」は、山口百恵という一人の人間が迎えた人生の大きな局面を、歌を通して表す楽曲となった。引退後はテレビやステージなどの表舞台に登場することは一切なく(唯一あるのはキルト作家としてのごく静かな活動のみ)、この徹底ぶりもあれだけ一世を風靡(ふうび)した末の生き方として指摘されることが多い。過去の作品の再発売や新たな編集盤などはリリースされるたびにチャートインをしたり、21世紀になってソロシンガーとして活動する長男の三浦祐太朗がカバーした楽曲が好評を博したりで、あのころの百恵を思い出したファンも多いはずだ。時代を超えても事あるごとに思い出され、次の世代にも味わい直される山口百恵の世界。その歌はさらにまた新しい時代になっても聴かれていくことだろう。

出身地
Tokyo, Japan
生年月日
1959年1月17日
ジャンル
歌謡曲

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