透明感あふれる高貴な歌声、時に優しく時に力強い表現、高い説得力、コロラトゥーラを自在に歌いこなす抜群のテクニック、そして、ステージ上でひときわ輝きを放つカリスマ性。ソプラノ歌手、森 麻季は、そのすべてを手にしている。1970年生まれの森は、東京藝術大学及び同大学院で独唱を学び、さらにミラノとミュンヘンで研さんを積んだ。1998年には、プラシド・ドミンゴ世界オペラコンクールで第3位（ソプラノではトップ）となり、同年、ドミンゴの誘いを受けてワシントン・ナショナル・オペラにデビュー。その後もアメリカやヨーロッパの歌劇場で著名な指揮者や歌手たちと共演し、国際的な評価を得た。コンサートでも、小澤征爾、ウラディーミル・アシュケナージ、パーヴォ・ヤルヴィなどをはじめとする世界的な指揮者や国内外の主要なオーケストラと共演している。録音では、『麗しき瞳よ‾ヘンデル・アリア集』（2009年）やリヒャルト・シュトラウスとリストによる歌曲を収録した『4つの最後の歌』（2011年）などで聴けるバロックのアリアやロマン派の歌曲から現代日本の作曲家による作品に至るまで、幅広い時代にわたるレパートリーを披露。2022年には国立音楽大学の客員教授に就任し、後進の指導にも力を注いでいる。