斉藤和義

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斉藤和義について

ひょうひょうとした立ち居振る舞いから放たれる、時に鋭利で痛烈、時に途方もなくロマンチックな“歌うたい”のストーリーテリング。慣習や伝統にからめ捕られることなく、物事の本質を軽やかにロックンロールさせることにおいて、斉藤和義は達人だ。高校時代はハードロック/ヘヴィメタルのバンド活動に打ち込み、大学生になるとアコースティックなロックデュオとして音楽的バックグラウンドを培っていた彼だが、メジャーデビューは27歳と決して早くはなかった。実姉の勧めでテレビのオーディション番組に参加し、デビューの権利を勝ち取ることになる。1994年、4作目のシングル曲となるモータウンビートの軽快なポップチューン「歩いて帰ろう」が子供向け番組のオープニングテーマに起用されたことを契機として、知名度が上昇する。デビュー以来しばらくの間は、松尾一彦との共同プロデュースの下、さまざまなアレンジャーを迎えながらウェルメイドなサウンドプロダクションを志向していた。しかし、より明確に自身の思い描くサウンドを表現するため、斉藤はセルフプロデュース、一人多重録音の手法へと移行する。そうして生み出されたのが通算5作目のアルバム『ジレンマ』(1997) であり、密室的なムードの中で自我と格闘するように緊迫感を増幅させる作風に仕上げられた。当時のメインストリームにおいてはかなりチャレンジングな試みではあったが、アーティストとしての個性と生々しい息遣いがむき出しになった同作はセールス面でも好意的に受け入れられ、また同年11月にはシンガーソングライターとしての率直な思いをしたためた名曲「歌うたいのバラッド」がシングルとして発表される。オーセンティックなロックやリズム&ブルース、カントリーなどを下地にしたキャッチーな音楽性でありながら、斉藤和義はいつでも同時代の空気を呼吸するように新しいテクノロジーを利用し、そして時代の中で言葉を紡ぐ“歌うたい”であり続けてきた。21世紀に入ると他アーティストへの楽曲提供やコラボレーション、俳優業での活躍や映画作品の劇伴など表現の幅を広げていったが、そんな中でも「ウエディング・ソング」(2007) や「ずっと好きだった」(2010) といった、幅広いリスナー層に親しまれる普遍的なポップソングを生み出すことも忘れない。MANNISH BOYSやカーリングシトーンズといったグループでの柔軟な活動を並行して行う一方で、ソロ名義作品ではスマートフォンの音楽制作アプリを利用したプロダクションにも挑むなど、無頼にして魅惑的なロックンロール道をまい進している。

出身地
Japan
生年月日
1966年6月22日
ジャンル
J-Pop
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