折坂悠太
折坂悠太

折坂悠太

折坂悠太について

優れた表現者は時代を映す鏡となる作品を生み出す。折坂悠太はそれを実感させてくれるシンガーソングライターだ。1989年、鳥取に生まれた彼は、子ども時代をロシアやイランで過ごし、帰国後は千葉に移り住んだ。複数の文化の中で育まれた彼の個性は、画一的な日本社会において異質なものとして受け取られることもあったようだが、そこで培われた思慮深いまざなしこそが、彼の音楽を奥深いものにした。

2013年よりライブ活動を始め、2018年に自身が生まれ育った平成という時代を映し出すアルバム『平成』を発表。世界各国の多彩な音楽性を溶け込ませたサウンドと、日本の民謡や浪曲などの要素を取り込みノスタルジアを喚起させる歌が高い評価を獲得し、2018年を代表する作品となった。続く『心理』(2021年)では、分断が進む世界を見つめ、国内外のミュージシャンと共に人間の体温が伝わる歌を紡いだ。

折坂悠太の歌は、多様な人々、多様な価値観で織り成されるこの世界の美しさを伝える。決して声高にメッセージを伝えるシンガーではないが、哲学的な問いをもつ歌で聴き手のイマジネーションに訴えかけ、心と心の対話を促す。世界に亀裂が生まれたとき、彼の音楽はその裂け目をつなぐ糸のような役割を持つだろう。

同じタイプのアーティスト