甘美な歌声と繊細なサウンドアプローチで濃密な音楽世界を描き出す小袋成彬。2013年、大学在学中に自身のソロプロジェクト、N.O.R.K.を始動。2014年にYaffleらと設立したクリエイティブカンパニー、Tokyo Recordings（現TOKA）を拠点に、ソングライター、プロデューサーとして、iriやSIRUP、柴崎コウら、多数のアーティストの作品を手掛けてきた。裏方として華やかな実績を積み重ねながら、パーソナルな音楽世界を人知れず育んでいた彼は、2016年にアルバム『Fantome』の制作で出会った宇多田ヒカルの後押しを受け、2018年にファーストアルバム『分離派の夏』でソロデビューを果たした。

その後、活動拠点をロンドンに移し、プロデューサー、ソングライターとして、宇多田ヒカルやDAOKO、adieuらを手掛けながら、自身の作品においては徹底して個を追求。サウンド面では、オルタナティブR&Bやポストダブステップ以降のダンスミュージックに触発された楽曲に磨きをかける一方で、甘美なボーカルで歌いつづられる歌詞世界は多様性に開かれ、聴き手を深く魅了している。