おすすめアルバム
- 2024年10月25日
- 31曲
- MEGAN · 2023年
- Beautiful Mistakes - Single · 2021年
- MEGAN: ACT II · 2024年
- Sweetest Pie - Single · 2022年
- Thot Shit - Single · 2021年
- SG - Single · 2021年
- Good News · 2020年
- WAP (feat. Megan Thee Stallion) - Single · 2020年
- It Was A… (Masked Christmas) [feat. Ariana Grande & Megan Thee Stallion] - Single · 2021年
- Neva Play (feat. RM of BTS) - Single · 2024年
必聴アルバム
- 2020年を取り囲む鬱々(うつうつ)としたサイクルから抜け出して、一息つきたい? そんな時には、ミーガンに任せておくのがいい。「アルバムのタイトルは『Good News』にしなきゃと思った。だって、聞こえてくるのはバッドなニュースばかりでしょ?」と、彼女はApple Musicに語る。「まるで、『オーケイ、見てよ。ミーガン・ジー・スターリオンがやっとグッドニュースを届けてくれた』って感じだと思う」。ヒューストン出身のラッパーによる、この待望の(そして、タイトルの名にふさわしい)デビューアルバムは、彼女のエッセンスの数々が火花を散らし、純度の高い出来栄えとなって最大級のインパクトをもたらしている。スキルに満ちあふれていてクレバーであり、それでいて彼女のスタイルやワイルドさはそのままに。ストレッチをして準備運動をし、心して聴くのがいいだろう。アルバムをスタートするにあたり、ミーガンは自分に付きまとっているイザコザに対して迷うことなく物申す姿勢を取っており、オープニングトラックで、自身が負傷した銃撃事件に関する論争を終わらせようとしている。簡潔で、ヒリヒリするように熱く強烈な一撃であるこの一曲は、事件の加害者(ミーガンが“アンタは名声が欲しいだけだから、名前すら口に出したくない”とラップする通り、楽曲中で加害者の名前は明かされていない)と、ミーガンに対して否定的な態度を取る者たちに向けられたものだ。そしてひたすら真っすぐに、ミーガンはオープニングに続く残りの16曲を通して、なぜ彼女が同業者やファンたちから、リスペクトと憧れを持たれているのかを正確に証明してみせる。「Do It on the Tip (feat. City Girls)」や「Freaky Girls (feat. SZA)」は、ノリもよくトゥワーク(お尻を激しく振るヒップホップダンス)向きで、“女の子はただ遊びたい”というマントラが持つ彼女の世界観を象徴するような楽曲だ。対して、「Movie」や「What’s New」はアティチュードにあふれ、彼女のフリースタイルの魅力でもある、容赦ないまでのリリックのキレの良さを見せつけるような楽曲。さらに、ジャマイカのアーティストであるポップカーンをフィーチャーした「Intercourse」や「Don't Rock Me to Sleep」のように、いつものミーガン圏内からは少し外れた雰囲気を感じさせる曲もある。前者はダンスホールのヴァイブスあふれる一曲で、後者はメロディラインを強調したポップチューンだ。そしてこうした楽曲を準備する中、ミーガン自身は、今の世の中の状況からある野心を抱いたようだ。「このアルバム用にレコーディングをスタートした時、アルバム向けの曲が出来たという風に感じた」と彼女は語る。「『これよ、まさにこの時がきた』って感じ。コロナウイルスによる外出自粛で、基本的には誰もが家の中にいるから、多くの注目を集めることになる。みんな、新しい音楽を欲しているし、家の中で心から音楽に浸ることができるしね」アルバムが、これまでにリリースされたシングル(もちろん、その中にはBeyoncéとの「Savage Remix」も含まれる)で幕を閉じようとする頃には、我々はまるで彼女の過去と現在、そして未来を垣間見たような気持ちにさせられる。ファン好みのクラシックな魅力はさらに進化を遂げたばかりか、次は何がやってくるのだろうという可能性を抱かせる。『Good News』は、いとも簡単にそのタイトル通りの内容に仕上がった。本作は、快楽性やダンス、そして心地よさについて追求し続けたミーガンの粘り強い努力の賜物だ。実際には、彼女を取り巻く環境はその真逆の状況にあったにもかかわらず、である。そんなこと、ミーガン以外に、誰かうまくできる人がいるだろうか?
アルバム
- 2024年
- 2022年
アーティストプレイリスト
- タイトなラップと強烈な存在感でシーンを沸かせるヒューストンのホットな才能。
- あふれ出る彼女のクリエイティビティを映像で楽しむ。
- ヒューストンが誇るヒップホップ・クイーンのツアーで披露される楽曲を聴こう。
ベストアルバム、その他
- Drebae, Bodybangers & Lotus
- Marshmello, Nitti Gritti, Megan Thee Stallion
- UGKからミーガン・ジー・スタリオンまで、テキサスラップの系統を探る。
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ミーガン・ジー・スタリオンについて
ミーガン・ジー・スタリオンがマイクを握ったきっかけは、一人の男性の気を引くためだったと、2019年、彼女はApple Musicに語っている。それ以前からラップの歌詞は書いていたものの、人前でオープンにすることはなかった。だがこの時は大学内で、男子学生がフリースタイルをし、彼女もすでに数杯お酒が入っていた。「どんな結果が待っているか分からなかった」とミーガンは語る。「でも、弱々しく見られてたまるもんか、と思っていた」彼女は聡明なラッパーであり、威厳があり、ファニーで、みだらでもあり、同時に、強い自信を示すアバターのような存在にもなっている。そして“ホット”の定義をよりインクルーシブに拡大し、他の誰かから決めつけられるのではなく、自分で自分を認める存在である“ホットガール”が誕生した。ミーガン・ジー・スタリオン(本名ミーガン・ピート)は1995年、ヒューストンのサウスパーク地区に生まれ、スリー・6・マフィアやUGK、そしてピンプ・Cなど、ハードコアな南部のラップを聴いて育った。ラッパーとして活動を始めた初期のサイファー動画が口コミでヒットし、猛烈な存在感と正確なフロウが注目を集めた。Apple MusicのUp Nextに取り上げられ、2020年には第2回Apple Music Awardsのブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。「Big Ole Freak」から、Cardi Bとコラボレーションした2020年の特大ヒット「WAP」に至るまで、彼女の楽曲はヒューストンラップをリードしているだけでなく、リル・キムとノトーリアス・B.I.G.にまでさかのぼる挑発的なトラッシュトークのレガシーも受け継いでいる。まるでコミックでおなじみの誇張された文字のように、彼女は派手に挑発してくる(ミーガン自身も長年のアニメファンだ)。また、他の優れたラッパーと同様に、彼女もまた同じいくつかのことを千差万別に表現できる。例えば「WAP」では、“ひざまずいたら、信じているものをあげる (Put him on his knees, give him somethin' to believe in)”と言い放つ。また「Captain Hook」では、“お酒が好き、そしてセックスも好き (I like to drink and I like to have sex)”と表現してみせる。ミーガンの力強さは計り知れない。
- 出身地
- Houston, TX, United States
- 生年月日
- 1995年2月15日
- ジャンル
- ヒップホップ/ラップ