アーティストプレイリスト
- マービン・ゲイは、モータウンの成功を語る上で欠かせないシンガーソングライターの一人。柔らかく艶のある歌声を武器に、数々の楽曲をチャートに送り込んだ彼は、1968年に発表した "I Heard It Through The Grapevine" で初の全米一位を獲得。1970年代に入ってからはアルバム「What's Going On」をはじめ、シリアスなメッセージを含んだ楽曲で、ソウルミュージックの新たなスタイルを切り拓いていった。彼のソウルフルな歌声は、ファンはもちろん後続のアーティストたちの心からも消えることはないだろう。
- 正義のプロテストシンガーやファンクのパイオニアだっただけでなく、マービン・ゲイはモータウンの偉大な愛の詩人でもあった。ゲイは1960年代に、特にタミー・テレルとの高揚感あふれる一連のデュエットで、愛の甘さや献身的愛情が持つ力を感じさせた。1970年代に入ると、彼のラブソングはより官能的で露骨なものになったが、同時に、深く精神的で、衝撃的なほど私的でもあり、激しく感動的だった。
- サウンドメイクやアレンジまで、自らトータルプロデュースをするアーティスト像を確立させたマービン・ゲイ。親しみやすく美しいサウンドと洗練された歌声が人々の心をつかんで離さない。彼の比類なき才能は多方面に影響を与え、ソウル界ではスティーヴィー・ワンダーを筆頭に、ルーサー・ヴァンドロスといったブラックコンテンポラリー界へも引き継がれ、さらにはロック、ポピュラーミュージックシーンにまでマービン・ゲイの足跡が感じられる。
- 伸びのあるファルセット、心地良く響くテナー、そしてゴスペル調のシャウトを自在に操り、独自の歌唱スタイルをマスターしていったマービン・ゲイ。10代でドゥーワップに心を奪われ、モータウン初期はナット・キング・コールをはじめとする艶っぽいクルーナーを手本にしていたとも言われている。さらに”ソウル歌手の中のソウル歌手”と敬愛していたリトル・ウィリー・ジョンや、黒人文化を歌で綴ったサム・クックら、偉大な先達の楽曲をまとめて紹介。
- 先進的な楽曲に魅惑の歌声と気高いメッセージを共存させる天才音楽家、マービン・ゲイ。数々の名曲を生み出した彼の音楽性は、ジョン・レジェンド、ロビン・シックといった当代きってのスターにとって尊敬と憧れの的。ジェイ・Z も 「American Dreamin'」でサンプリングするなど死後30年が経つ今も、独創的なアイデアに満ちたグルーヴは数多くの才能にインスピレーションを与え続けている。
- 魅力的な歌声の裏にある音楽的な深みや、円熟期に見せた高い作家性を味わう。