1984年の初リーダー作以来、多くのミュージシャンと共演し、着実にキャリアを重ねてきたブランフォード・マルサリス。本作は自身のグループを結成し、1990年に初めてカルテット名義でリリースしたアルバム。メンバーは、度々共演を重ねてきたケニー・カークランド(P)とジェフ・"テイン"・ワッツ(Dr)、そして、ブランフォードの弟、ウィントン・マルサリスのバンドでも活躍していたRobert Hurst(B)。ウェイン・ショーター風の楽想の"Spartacus"、ジョン・コルトレーンに影響を受けたミステリアスな"The Dark Knight"。そして完全なフリーフォームに近い展開の"Random Abstract (Diddle-It)"など、これまで彼が培ってきた音楽的アイデアをグループ全体で一気に放出した会心の内容。本作の成功で自信を得たブランフォードは、八面六臂(ろっぴ)の活躍で1990年代のジャズ界をけん引していく。